その人の心を理解することが、愛情に満ちた教育を進化させる
弊社の捉えるアセスメントとは何か?
弊社は、その人にまつわる事実(年齢・家族構成・趣味嗜好・人間関係・成績・特徴的な経験/環境/言動など)を、脳科学の知見に照らして分析することで、「その人の脳が、どのようにその人の心を動かし、その人の言動を生み出しているのか?」を描出します。この一連の過程を弊社では、「心の成長アセスメント」と呼んでいます。
このアセスメントという言葉は、分析・評価という意味の単語ですが、何を持ってアセスメントと呼ぶかは社会の中では幅があります。弊社は、医療界で使われる「Assessment」を想定しています。医療では、患者の事実を医学・生物学に照らして解釈・分析することでその患者の身体の中で何が起きているか(=病態)を描き出し、治療のプランにつなげる情報処理のことを、Assessmentと呼びます。
医師のカルテは、「SOAP」と呼ばれます。これらは、「Subjective Data」「Objective Data」「Assessment」「Plan」の頭文字をとったものです。
「Subjective Data(主観的な情報)」とは、患者が話した内容になります。患者が、どのような症状を訴えているのかがSの欄にまとめられます。「Objective Data(客観的な情報)」は、診察や検査によって得られた情報のことで、Oの欄にまとめられます。SとOという患者についての情報をもとに、患者の身体で何が起きているのかを分析することをAssessmentと呼びます。このAssessmentにおいて重要なのは、人体の仕組みに照らして分析するという点です。Assessmentによって浮かび上がる「病態」に基いて、効果があると思われる治療プランを設計することをPlanと呼びます。
教育の課題を解決する心の成長アセスメント
現在の教育現場には、被教育者である生徒や社員の言動をもとに、その人の心がどのように動いているのか?を分析するAssessmentの過程が不足しています。教育者には、心の発達・成長の共通言語がないため、各々の経験と勘に頼らざるを得ない弱みがあります。心理学と精神医学はこのサポートをしていますが、これら既存の学問は症候学であり、このような特徴を持った人にはこうしたサポートや治療が役立つという経験の積み重ねを基本としています。そのため、心とはそもそもどんな原理原則で動いているのか?という統一的な理解を提供するための学問ではないという性質があります。
心の発達の多様化に伴う、教育・サポートニーズの多様化が課題となっている中では、広い意味で経験論を当てはめるという演繹的なアプローチには限界があります。
弊社は、自由エネルギー原理という「脳の大統一理論」の知見を活用して、その人の脳が心をどのように動かしているのか?に対する「蓋然性の高い仮説」を描き出すことができます。その人が、どうしてそのような言動をするのか?、心の特性を有しているかの必然性を描き出すことができます。
弊社の「心の成長アセスメント」をこれまで、研究段階も含め多くの教育者に受けていただきました。すべての教育者が口を揃えておっしゃられる感想は、「生徒への愛情が深まりました」という言葉でした。その子が、背負ってきた人生、どんな気持ちで過ごしているのか?どのように不安で、どのように生きづらいのか?をアセスメントを通して知ることができるのです。その人のことを深く知ることで、愛情が深まったとアセスメントを経験された教育者はおっしゃられます。
アセスメントによって、その人の心の動き方についての蓋然性の高い仮説が得られると、その人にどんなサポートが必要か?その人は、どんな学びや経験によって成長できるか?をより効果的に考えることができます。こうして、その人の心の状態にあった最適化された教育プランを実行できるのです。
また、教育を受ける側は成長途上にある自分の心やスキル(学力や仕事のスキルなど)を教育者が知ってくれているということに安心感を抱きます。こうして、アセスメントによって教育者と被教育者の信頼関係が深まるというメリットがあります。
こうしたアセスメントに基づくその人に最適化された教育の実践が、人生の転機といっても過言でないほどの成果を生み出す経験を弊社は積み重ねて参りました。
我が国は、「人の気持ちが分かる優しさ」を大切にしてきた国柄であると思います。弊社の「心の成長アセスメント」は愛情に満ちた教育を進化させるためにあります。我が国のより良い未来への貢献になるように努めてまいります。