人の気持ちがわかる社会を目指して

江戸時代中期の臨済宗の中興の祖として知られる名僧、白隠慧鶴。厳しい修行を経て、哀しみを抱えた庶民に寄り添い、仏の心を説いた彼の偉大な業績は、「五百年間出」と表される不滅なものとなっています。

その白隠禅師が、著書「槐安国語」に記したとされる言葉(白隠禅師より先人が記載した記録がなく、限りなく白隠禅師の言葉とされています)が、「君看双眼色 不語似無憂」です。

君看よ双眼の色  語らざるは憂い無きに似たり

目を見たとしても、その人が語らないならば、その人は哀しみを抱えてないかのように見える。しかし、哀しみを抱えていない人なんていない。言葉にしない哀しみを分かろうとすることが大切であると白隠禅師は説かれたのだと思います。

聖徳太子が制定された十七条憲法の第十条は、

十曰、絶忿棄瞋、不怒人違。人皆有心。々各有執。彼是則我非。我是則彼非。我必非聖。彼必非愚。共是凡夫耳。是非之理、詎能可定。相共賢愚、如鐶无端。是以、彼人雖瞋、還恐我失。我獨雖得、從衆同擧。
であります。

人が自分と違うからと言って、怒ってはいけない。人には心があって、一人一人の言動や気持ちには事情があるのだ。誰もが弱さや欠点を抱えているではないか?意見を戦わせることを目的にするのではなく、全体が良くなるように努めなさい。という温かさと謙虚さに溢れた真心が我が国には引き継がれているように思われます。

世の中は便利になり、個々人が自らの幸福を追求できる時代になりました。そこには快適な面もある一方で、心の在り方が多様化したことで、人と人が分かり合い、共感しあえることが難しくなっている面もあるようにも思います。

人は分かって欲しい生き物です。自分のことのように喜んで、自分のことのように悲しんでくれる人がいることがどれほどうれしいことか?、みなさん共感されることと思います。

弊社は、アセスメントを行うことで、その人の人生に寄り添うことができると考えております。その人が背負っている運命は何なのか?、その人はどんな気持ちで生きているのか?、どうして、そういう気持ちで過ごしているのか?に迫ることができます。

その人の気持ちを知ることで、愛情は深まっていきます。その人のために、何をしてあげられるのかも見えてきます。弊社は、脳科学を活用することで、人と人が分かり合おうとする優しさの手助けができると考えております。

私たちは、助け合って次世代に命を繋いでいくという生物としての運命を生きています。それは、心を繋いでいくことによって達成されると信じております。

「ああ、生まれてきてよかった」という感動は、助け合って生きていく実感の中にあります。弊社は、この感動に満ちた未来に貢献することを目指します。